開催にあたって

人は、過去を背負いながら、一筋の光を未来に感じて、今この場所を進む。過去の幸福も不幸も、未来に結んでいかなくては、生きて行く甲斐がないと信じているからだ。

国籍、民族、宗教、言語、環境、考え方などの違いから、袂を別つのは、人の歩んできた過去の失敗を「なぞる」ことに過ぎない。さまざまな違いを乗り越え、つながりあうことを望み、自然と調和することを目指してこそ、人として生きる意味・価値が生まれてくる。しかし、残念だが私たちは、未だにその呪縛の輪廻から解放されてはいない。

私たちは夢を見た。とても小さい夢かもしれないが、アートには、それを叶えるヒントがあるはずだ。かつて絵画や彫刻といった物質による表現は、時を超え地域を超えて人の心をつなぐものだった。しかし今、環境や人の流れ等、作品を取りまく状況を含んだ表現や状態が主流となっている。人に伝えるだけでなく、作品を通した関係づくりが求められるようになったのだ。 

過去や未来に囚われ過ぎず、現在の自己の状態に埋もれない、「過去と現在と未来」を結び、「人・自然・地域」を有機的に連携し、共にそれぞれの目標に向かって進み続ける創造力を生み出していく、そんなプロジェクトを実現したいと思う。

「かがわ・山なみ芸術祭2016」は、香川県の山間部を舞台とし、エリアの特性を十分に引き出しながら、地域、アーティスト、行政の、願いと力を結集して開催する。時代を切り拓くヒントを与えてくれるような独創的な芸術祭になることを目指していきたいと考えている。

かがわ・山なみ芸術祭2016実行委員長
倉石 文雄

かがわ・山なみ芸術祭基本理念

「かがわ・山なみ芸術祭」は、地元在住の美術家と地域社会が主体となった民間主導によるボトムアップ型の催しである。

香川県には、優れた活動を行っている美術家が数多く住んでいる。彼らは各地で独自のイベントを行い、これらの実践を通して多くの経験を積み重ね、その成果はすでにさまざまな所に現れてきている。

この催しでは、県内で制作を行っている美術家や自主的な地域活動を行っている文化団体を紹介し、そして国内外の優れた芸術活動を行う作家を招聘しそれらを連携させる。そのことで住民と美術家との協働を促し、芸術を軸とした地域の活性化を促す。美術家の活動が香川から世界へと広がっていくことで、地域が大きく飛躍していくことを願っている。

開催概要

名  称
かがわ・山なみ芸術祭2016
瀬戸内国際芸術祭2016パートナーシップ事業
第2回展テーマ
「人をつなぐ 時をひらく」
Connect the people, Cultivate the future
会  期
2016年4月9日(土)~11月13日(日)
綾川町エリア/2016年4月29日(金)~5月22日(日)
観音寺市大野原町エリア/2016年5月15日(日)~5月29日(日)
まんのう町エリア/2016年9月17日(土)~10月10日(月)
高松市塩江町エリア/2016年10月29日(土)~11月13日(日)
三豊市財田町エリア/2016年10月29日(土)~11月13日(日)
主  催
かがわ・山なみ芸術祭2016実行委員会
特定非営利活動法人かがわ・ものづくり学校
共  催
香川大学 高松市 観音寺市 綾川町 まんのう町 国営讃岐まんのう公園
まちづくり推進隊三野 たからだ実施委員会 N3ART Lab
後  援
香川県
助  成
(公財)置県百年記念香川県文化芸術振興財団
関連イベント
かがわ・山なみ芸術祭2016協賛事業「第4回つくるフェスティバルinみとよ」
プレイベント「かがわ・山なみ芸術祭2016 in 瓦町FLAG」
連携イベント「アートでたんぼ2016」
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