京都市立芸術大学大学院美術研究科修了
香川大学非常勤講師。 芸術士®
自身の帰郷を機に、四国各地に伝わる和紙の文化と出会う。 その滑らかさや美しさに魅了され、「切り絵」の手法を用いた美術作品と照明による空間全体を使ったインスタレーションを展開。 四国中央市出身、香川県在住。
猫股は、長く生きて尾が二つに割れ、亡き人の使いとして現れ、家の者を試し、ときに助ける存在とも語られてきた。  その姿は、現世と異界をつなぐ“使者”であり、見えるものと見えないもののあわいに立つ。  部屋の内側を猫股の領域とし、日常と異界が交ざる場としてひらく。  外側にはお地蔵さまをそっと据え、内と外の境を示す印とする。  猫股たちは掃き掃除をし、お茶をしつらえ、押入れの奥からそっと姿を見せ、訪れる人を迎える。  守り、遊び、くつろぎが同居するこの空間で、観る人は境をたゆたい、現世と異界のあわいを歩く旅人となる。  猫股の伝承は各地に存在し、ここ綾川町にも残されている。  同じ時期に、遠く離れた土地でよく似た物語が生まれたのは、旅人の口伝によるのだろうか―― それとも、猫股そのものが時空を行き来していたのだろうか。
部屋の中に猫又が4匹、手前にお地蔵さんを配置します。
